今日のジュニアレンジャーの活動は、
ハゼ釣りと、その調理でした。
(中海では、ハゼをゴズといいます.)
ハゼ釣りは、中海のワイズユースを語るうえで大変大切な活動です。
それは、多くの人が中海の恵みを直接体験できるからです。
そして今日の目標は、
ジュニアレンジャーは、釣ったハゼを調理して人にふるまうです。
目標に至るまでには意外とたくさん難関があります。
ハゼを釣るためには、釣り道具の使い方を覚え、餌の青虫が触れるようにならなければなりません。
「魚に触れた。!!」
「針が外せない・・・」
意外と難関は、多いです。
そして調理するには、魚のさばき方を覚え、おいしく食べてもらうにはその調理方法を勉強しないといけません。
これは、すべて湖の恵みをうまく利用するため、ワイズユースをするための知恵なのです。
もし、豊かな自然があったとしても、この知恵がなくなってしまっては、湖の価値は半減してしまいます。
今日の活動で、ジュニア・レンジャへーは、ワイズユースの知恵を身に着けることができたでしょうか?
10月6日/7日に兵庫県豊岡市で開催された南日本海子どもラムサール湿地交流会に行ってきました。
日本海沿岸の南側には、中海・宍道湖をはじめ、今年登録の締約国会議で登録湿地となった円山川河口域・周辺水田など様々なラムサール条約登録湿地があります。
これらのサイト間で情報交換し、各湿地の活動を活発にしようと今回の交流会は実施されました。
中海・宍道湖の子どもたちは、自分達の湿地とはちょっと違った雰囲気に最初は戸惑っていましたが、コウノトリや様々な生き物に触れるうちにいつも以上にいろいろなことに挑戦していました。
みんなが学んだことを未来の中海・宍道湖に役立ててくれる日が一日も早く来るのを待っています。
コウノトリのための巣塔 「ハチゴロウの戸島湿地」
2008年にここで巣立ったコウノトリは、宍道湖まで飛んできました。
私達は知らないうちに繋がっているのですね!
ハチゴロウの戸島湿地訪問 コウノトリ湿地ネット記事 リンク
http://wac-s.net/modules/hachi560/details.php?bid=1468
田結(たい)地区訪問など コウノトリ湿地ネット記事 リンク
http://wac-s.net/modules/blog/details.php?bid=49
「米子水鳥公園と豊岡との交流の歴史」
http://www.yonago-mizutori.com/mizutori/mt-search.cgi?x=0&y=0&search=%E8%B1%8A%E5%B2%A1&IncludeBlogs=1%2C4%2C10%2C14%2C13%2C17%2C9%2C15%2C11%2C18%2C5%2C6%2C12%2C3%2C8%2C7&limit=20
9月15日・16日を千葉県習志野市で実施されました。
2012年子ども湿地交流会in谷津干潟
~ “中海・宍道湖・谷津干潟“ 結ぼう、人と湿地の輪 ~
中海・宍道湖から6人の子供たちが参加しました。
谷津干潟は、ビルに囲まれた湿地です。
米子水鳥公園と同じように埋め立てられそうなところを
市民の運動によって保護されました。
ラムサール条約締結40周年記念イベント
4湿地ネット交流会
「結ぼう、人と湿地の輪」
ということで、谷津干潟(千葉)を中心に
藤前・ブリスベン・米子をつないでの交流イベントでした。
米子水鳥公園こどもたちは、
10月に谷津干潟に来てもらったことがありましたし、
名古屋には昨年の10月に生物多様性条約締約国会議にも行ったので
楽しみがいっぱいの交流会始まりです。
写真のように、左:スカイプと右:Ustreamの映像をモニターに映して来園者の方にも見ていただきました。
モニターは、平成21年に米子がいな基金(ふるさと納税)を利用させて頂いたものです。
発表はスタジオ気分です。
スカイプの画面
左:谷津干潟 右:藤前干潟
10月に名古屋で開催されたcop10に参加した石田咲歩子さん(米子市弓ヶ浜小学校6年)が参加報告をいただきました。ここに掲載します。
COP10に参加して
米子市立弓ヶ浜小学校 6年 石田咲歩子
てきました。びっくりしたことは地下鉄で移動したときに、あちらこちらに『COP10』と書かれた青色と緑色のポスターがたくさん貼ってあったことです。米子では見たことがなかったのでCOP10の開催地に来たんだと実感しました。
会場の白鳥会場ではたくさんのブースがあり、知らない会社などが数えきれないほどありました。でも、初日は遅れて着いたのでほとんどのブースが閉まっていて残念でした。もうどこにも入れないと思っていたのに、一つだけ私達を迎えてくれた所がありました。そこは私たちが2月に米子水鳥公園子どもラムサールクラブで描いた『中海のいのちえがいてみよう』という中海のマップが貼ってあった環境省のブースです。環境省の職員さんが時間を過ぎてしまい、外してあったマップをまた持ってきてくれました。それをバックに記念写真も撮ってとてもうれしかったです。
二日目の10月24日は藤前干潟で発表をしました。私たちは特別ゲストとして呼ばれました。発表といっても大きなホールの中でたくさんの人の前で発表するのではなく、屋外の芝生広場での発表でした。発表した内容は、中海の干拓が中止になった理由や私たちの活動の取り組みなどです。ちょうど同じ時期に藤前干潟も干拓が中止になったそうなのでそのことも伝えました。友だちの樋口未歩ちゃんは屋久島の学校に留学中なので、屋久島の自然や環境問題について発表しました。もっとたくさんの人に聞いてもらいたいと思いましたが、聞いて下さった方はうんうんとうなずいたり、温かい拍手をして下さったりしました。だから、学校の発表よりも長かったけど、全くといってもいいぐらい緊張しなかったし発表しやすかったです。
またここはふれあい祭りという名前の通りお祭りみたいな屋台も出ていました。その中には名古屋名物の『五平もち』がありました。五平もちは太い木にお米をつけてその上にみそをつけて焼いたものです。初めて食べてみてとてもおいしかったです。
今回の発表会では、私達以外にも劇団シンデレラによる自然破壊をテーマにしたミュージカルがありました。また、劇団シンデレラの指導をもとに名古屋の子と韓国の子が一緒に劇をしていました。終わった後、名古屋の子が「韓国の子とは言葉の壁があったけど、劇は成功できて良かった」と言っていたのが印象的でした。私は、劇団シンデレラの子や座長さんには以前に行った「KODOMOバイオダバシティ」で出会ったことがあります。初めて座長さんに会った時、座長さんは「一度中海の水鳥公園に行ってみたい」と言っておられたので、とてもうれしかったです。是非中海に来てほしいなと思いました。
発表が終わった後、すぐにまた白鳥会場に行ってみました。今度はどのブースも開いていてたくさんの人でにぎやかでした。その中には私が2月に参加した『KODOMOバイオダイバシティ』のブースがありました。そこでは、私の先輩たちがたくさんの人をバイダバのブースに誘ってくれていたそうです。私が行った時はグループごとに協力して様々なクイズをといて発表していました。問題はラムサールに関係する難しい問題ではなく、遊びみたいな楽しい問題ばかりでした。私の班は2位でした。またそこでは私がバイダバに参加したときに友だちになった人や毎回お世話になっていた班長さんなどたくさんの人がいました。またこういう機会があったら是非行って友だちや班長さんに会いたいです。
今回の生物多様性条約の会場は白鳥会場だけでなく、オアシス21やモリコロパークでもイベントを開催していました。私はモリコロパークには行けなかったけど、オアシス21には行けました。どの会場も生物多様性という言葉が必ず書いてありました。今まで身近に聞いたことがなかった言葉だと思いますが、これを機会にみんなが「生物多様性ってなんだろう?」「国際会議が行われるくらいだから大事なことだろう?」と興味を持って調べたり考えたりしてくれたらいいなと思いました。私も米子水鳥公園でもっと湿地や生き物の勉強をして、大切な自然環境を守っていきたいです。そのためにもいろいろな所へ積極的に出かけて勉強をしたいです。
今回は名古屋で開催されたCOP10に参加できとてもいい機会に恵まれました。何年か前にドイツのボンでCOP9が行われたそうです。だから、数年後にどこかの国でCOP11が開かれると思います。その時はたぶん外国だと思うので行けるかどうかわからないけど、行けるなら今度も行ってみたいと思いました。今回たくさんの人にお世話になりました。特に米子水鳥公園の神谷さんは名古屋が出身地という事もあり、いろいろな所を案内していただきありがとうございました。また名古屋に行くことがあれば、その時も案内よろしくお願いします。
COP10での活動で
栗生(弓ヶ浜)小学校 六年 樋口 未歩
10月23日~25日に名古屋で行われたCOP10に参加しました。
名古屋にある藤前干潟は、以前ゴミ捨て場になる計画だけど、埋め立てたら生き物がいなくなってしまうことから埋め立てを中止した場所です。私たちが住む中海でも、干拓によって中海を埋め立て用としていましたが中止しています。
勉強してみると、藤前干潟と中海干拓はちょうど同じころに中止になっていました。
鳥取では、他にも大山のオオタカの森がゴルフ場になる予定だったところを、オオタカが住んでいたので中止にしたこともあります。
埋め立てをしたり森を切ったりすると、生き物がいなくなるので、「してはいけないよ」と私は言いたいです。
私が今留学している屋久島の森には、数万以上の生き物が住んでいます。草や木や虫や鳥もいて、ヤクシカやヤクザルもいます。私たちも動物も一生懸命に生きていて、自然の中にはむだな物はないそうです。どの生き物も一生懸命頑張って生きてほしいと思っています。
生物多様性条約締約国会議 COP10に行ってきました。
神谷要 (財)中海水鳥国際交流基金財団
2010年10月に名古屋市で開催された生物多様性条約締約国会議に行ってきました。といっても、もちろん国の代表ではありません。ラムサール条約もそうなのですが、一部の国際条約の会議では、サイドイベントや関連の展示ブースなど様々な活動が会期期間中に実施されます。このような活動は、今回は会議場に隣接している白鳥(しらとり)公園で実施され、会議をよい機会として政府や研究機関、NGOのアピール場となっていました。テントの数は200以上あり、海外のNGOや政府のものまであります。テントには超大型の200人規模の同時通訳付きのイベントが行えるものもあり、まさに環境保全の万博といった雰囲気でした。そのため、今までに知り合った国内外の友人にたくさん会うことができました。また、これらのブースを見ていて面白いのは、政府の方針に反する展示も自由に出展していることでした。環境省が準備したテントに、大小さまざまな市民団体からあちらこちらの開発に反対する展示ブースが出展されていました。日本は民主国家なのだと妙に安心してしまいました。
ただ、国の代表の入る会議場とこれらのテント村は2メートルほどの壁で仕切られ、許可なく入れないようになっていました。議場に入るためにはセキュリティーは空港並みに厳しいものでした。
さて今回米子水鳥公園は、2つのサイドイベントに参加するために名古屋へ行ってきました。一つは、米子水鳥公園が参加している渡り性水鳥に関するフライウェイ・パートナーシップ事業をアピールすること、もうひとつは、子どもたちの湿地交流です。フライウェイ・パートナーシップのイベントでは、未だに水鳥の減少傾向が30年前から変わらないことが、国際的なセンサスによって明らかになったことが報告されました。これらの元となるデータは、野鳥の会鳥取県支部のような地域の団体が集まって調査したものです。このようなデータが集められて、世界で活用されていることを改めて感じました。
また、湿地交流では藤前干潟のふれあい祭りに、米子水鳥公園のラムサール子どもクラブの石田咲歩子さんと樋口未歩さんと一緒に参加しました。地元の名古屋の子供たちや、韓国のチャンウォン市の子供たちと交流しました。とくにお互いの湿地の活動を報告する発表会では、名古屋の子どもたちは演劇やクイズなどを取り入れ楽しい発表をしていました。私たち子どもラムサールクラブも中海の代表として発表し、ちょうど同じ時期に藤前干潟も干拓が中止になったことから話が盛り上がりました。
さてCOP10は、エコを目指した会議でした。今回の会議について、難しい話は報道に譲りますが、会議はずいぶんエコを目指していることがよくわかりました。ゴミは10分別以上、参加者に公共交通機関でできるだけ移動してもらうために地下鉄の無料パスを配ったり、飲み物の紙コップを削減するためにサーモカップを配布したりしていました。2005年の愛地球博からの流れを大切にしていることを感じました。
ゴミ問題が生物多様性とどう関係があるのと思う方がいるかもれませんが、私たちは藤前干潟がゴミ捨て場になるために埋められようとしていたことを忘れてはいけません。それもたった10年分のゴミ捨て場としてです。いま、ゴミはリサイクルせずに埋めてしまった方が、コストが安く済み、エネルギーコストも低いという環境経済学者もいます。しかし、これは干潟や生物多様性の価値を経済的にゼロと考えているからです。干潟や生物多様性には大変な価値があります。それは、今回のCOP10で多くの国がまさにその生物多様性の利益配分で対立したことからも明らかです。今後とも、身近な生活のエコも気にしながら、世界を飛び回る鳥たちを見ていきたいと思ったCOP10でした。
神谷 要
生物多様性条約締約国会議(CBD)に米子の子供たちがやってきました。
この日に合わせて、米子で作った生き物マップを環境省の展示ブースに展示していただいたのですが・・・
子供たちの到着がやや遅れて、撤収されていました(涙・・・)
そうしたところ、環境省の中部自然環境事務所の皆さんが、わざわざしまってあった米子水鳥公園の生き物マップを出してくれて記念写真を撮影させていただきました。
中部事務所の皆様 会議前からわがままなお願いをしていたにもかかわらず快く受けていただき 本当にありがとうごさいました。
明日は、チャンウォン市と名古屋市の子供たちと藤前干潟で交流です。
韓国の子供たちは、先々週、米子に来た子供たちとの、友達かな・・・
名古屋で開催されている生物多様性条約締約国会議のサイドイベントで報告をしました。
東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップに関すル報告で、私からは、ガンカモ類の生息地ネットワークについてお話ししました。ほかにも呉地さんからは、蕪栗沼の報告や、水鳥の個体数の減少傾向が続いていることをまとめた報告書の完成などについて話がありました。
名古屋で開催されている都市と生物多様性国際会議のポストカンファレンスツアーが、米子水鳥公園へやってきてくれました。
米子水鳥公園の保護の歴史や、管理について説明しました。また、渡りの説明では、インドネシア、中国、韓国など、ツアー参加者の国々から渡り鳥が飛来していることを説明しました。
平成22年1月1日
生物多様性ってなんだ?
神谷要(中海水鳥国際交流基金財団)
生物多様性という言葉は、今年名古屋で「生物多様性条約」の締約国会議が開催されることもあり、注目度があがっています。また国連も、今年を国際生物多様性年と定め、様々な呼びかけを行っています。そういった中、米子水鳥公園には、ハクチヨウだけでなく、メダカや水草、タヌキなど様々な生き物が住んでおり、生物多様性を支える重要な場所の一つとなっています。しかし、「生物多様性条約」は、特に珍しい生き物のいる自然だけを守ろうとしているのではありません。いったい何を目指しているのでしょうか?
例えば、私たちが森に入ったとき、踏落ち葉を踏みしめる足下には、何匹の土壌微生物がいるかご存知でしょうか? ある調査ではワラジムシ、ヒメミミズ、ダニ、センチュウなど16万匹もの小さな動物がいたそうです。さらに細かな単細胞の生物まで加えれば数億匹とか・・・
「きもちわるい」と思ったあなた。実はこの顕微鏡でやっと見えるような生き物は、あなたの生活にとても役に立っています。例えば、彼らは農地で作物をつくるとき、堆肥を分解する欠かせない存在です。また、細菌類の納豆菌や乳酸菌そして酵母菌などは、人間の生活に有用なものです。我々の生活は、生物多様性の上に成り立っているのです。
また、人類は地球上の多様な生物群の中から、イネ、トマト、ジャガイモ、トウモロコシなど有用な食物種を選び出し、ペニシリンのような薬品を開発してきました。それでも人類はその生物資源のたった1%も利用できていないと言われています。
ところが、生物資源である生物多様性が毎年すごい勢いで減っています。現在、たった一年で4万種の生物種が減少し、外来の生物によって生態系がさらに単純化しているといわれています。
また、この人類共通の資源である生物資源が、農作物や医薬品の分野で特許を使って一部の大企業に独占されようとしています。古来よりわれわれの祖先が守り育ててきた自然や生き物たち、そしてその活用の方法を一部の人が独占してよいのでしょうか? 生物多様性条約は、このような問題に国際的に取り組もうという条約なのです。
米子水鳥公園ができて15年、中海がラムサール条約に登録されて5年がたちます。この自然を守ったことは、人類共通の大きな資源である生物多様性を守ったとも言えます。私たちは、この資源を未来へ残し、公平に分配する方法を考えなければいけないでしょう。
ですからもしあなたが、今年どこかで生物多様性という言葉をお聞きになったら、こう思ってください。目には見えなくても私たちの生活を支える大事な生き物たちのお話しであると。